ドールハウス
矢口史靖監督が原案、脚本を書いた「ドールハウス」はホラー映画です。私はホラー作品を好き好んで見るタイプではないが、長澤まさみ主演なので、怖いもの見たさではなく、長澤まさみを見るためだけに劇場に足を運びました。
この手のお話はどこを切り取っても、いわゆるネタバレと言われそうなので、紹介というか、どこが面白かった、怖かったかが書きにくい。
まあ、そういう世の中がおかしい。世の中というか、今どきどこかで何かが否応なしに漏れるので、細かいことを言うなよと言いたくもなります。
とにかく、少なくとも3回、私は「うわっ」という声を、小さくではありますが、上げてしまいました。約2時間の映画なのに、1時間でもう終わってくれていいと思いました。それくらい、怖い。それも心理戦と仕掛けと威嚇の応酬です。
長澤まさみの、物語導入部での美しさは場違いで違和感を抱くほど。それが恐怖に歪んだり、精神的に追い詰められたり、物理的に汚れたりしていく様は、メイクと演技のダイバーシティと言えるかもしれません。
ストーリー展開とともに、どこまでが現実なのか妄想なのか、判然としなくなる。その曖昧さは普通、技量のなさと思われるのですが、この作品ではそんな小理屈は、もうどうでもいいという領域に達してしまっています。
つまり、あそこは変だ、おかしい、間違えている、なんて指摘をしたがる人は見識の狭さを自慢しているようなものです。
この映画は長澤まさみを見に行ったのに、「長澤まさみ」の女優としてのオーラが見事に消え、一人の母親になっていた。私はそういうふうにまとめたいと思います。
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