敗者の文学
ついに、今年の尚絅大学文化言語学部公開講座が
昨日で終わった。
当初の予定通り、すべての講座を受講できたが、
こういうのって、ちゃんと全部出席できるだろうかなどと、
本筋と違うところで、頭に引っ掛かりを作ってしまうので、どうもいけない。
それはそうと、最終日は、
宮﨑尚子助教の「大正時代と家庭団欒
~川端康成の中学生の頃の文章を中心に~」と
武田昌憲教授の「身近なところから学ぶ~判官びいき・
源義経の魅力を探る~」であった。
どちらもさして惹かれるテーマではなかったのだが、
やっぱり何でも聞いてみる価値はある。
今年の全体テーマが「身近なところから学ぶ
~家庭・社会・コミュニケーション~」だったので、
家庭、家族をめぐる講義内容が多かったようである。
全体テーマのことをすっかり忘れていたので、
これは女子大だからかな、などと勘違いするところだった。
でも、この女子大だから、という部分は、今の時代に
かえって新鮮なことのような気もする。
で、判官びいきの話で、
武田教授は、日本人の心性的に「敗者の文学」があると。
それはおそらく多くの人が指摘するところだと思うが、
先生によると『将門記』がその最初ではないかとのこと。
負けた側について、その家族、苦労話、没落の話に
日本人は憧れるところがあるというのだが、
私はそこに日本人の「自虐史観」の原点を
見ることもできるのではないかと、思ったのであった。
根拠はありませんので、そういう思いつきに過剰な反応はしないでください。
源義経は、人の手柄は自分のものというような、
結構いやな奴で、周りの者から嫌われていたらしい。
あと、攻撃のとき、すぐに火をつけたがるというか。
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