ななつの夏
ななつの夏
私は息子に言う
おまえのポケットには
ななつの夏が入っているんだよ
そら 熱ちーて ヤケドすったい
おとうさんは夏を四十個も持っている
とびきり暑いのや 心凍えた日々
からっぽってのも あるにはあるけど
一年に一個ずつ 大事に集めてきたんだ
ヨンッジュッコも
おとーさん すげーや
息子よ そのひとつひとつが
宝物(トレジャー)だと気づくには
私には同じだけの年月が必要だった
あと何回 夏を迎えられるだろう
おまえ達に 土産(スヴェニール)を残しながら
Then and Now : これは、平成8年9月9日付熊本日日新聞「読者文芸」欄に掲載。
現在、詩の掲載はなくなっている。
長男が7歳のとき、一緒に風呂に入っていて思いついた。
かなりセンチで、いま読むと、笑ってしまう。まったく、若いというか、青いっていうか。
親の思いを受け取るには、同じようになが~い年月が必要だってことだよ。
それと、やっぱ生きてると、そういう時期を過ごすこともある、ということだろうか。
「晴れた日には永遠が見える」カテゴリの記事
- パンデミック・エントリー(2021.03.02)
- 火山活動から考える(2015.12.20)
- 絶叫!パニック映画大全(2015.01.14)
- 一枚の写真(2013.10.04)
- わたし遺産(2013.06.22)
コメント