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2015年6月 8日 (月)

分岐点

西部ガスが「&and」というPR誌を出している。
2001年当時、村上春樹が「僕がいた場所」という
エッセイを連載していた。
隔月発行で、2001年7月に出た第100号は、
「親密な街としての神戸」というタイトル。

単行本に収録されたのかもしれないが、
初出のいいところはカラーであり、
版型もその雑誌の大きさであるところだ。
そのサイズと紙質を前提として書かれた文章である。
この文章もムラカミライクになってきたところで、
最初と最後を引用する。
「人生には必ず分岐点がある。『あのときたまたま
こっちに来たけど、もしあっちに行っていたら、
人生はがらっと違ったものになっていただろうな』
というような、決定的なポイント」

「結局のところ、僕らの人生というのはみんな、
ひとつの幻想からもうひとつの幻想へと移動していく
過程に過ぎないのではないかと
思えるときがある。
避けがたい分岐点がやってきて、ひとつの幻想が消える。
そしてそのあとに、ひとつの記憶が生まれる」

うーん。
この文章は、言わせてもらえば、
フィッツジェラルド節ではなかろうか。
ふと自分の30代のことを振り返り、
もっと人に対して、やさしく接していればよかったなと思った。
若かったし、仕事に追い込まれてもいた。
現実の中でもがいているときにはわからないが、
後に残るのは、記憶という幻想のみだ。

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