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2006年8月16日 (水)

『わたしを離さないで』

 カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』をひそかに読む。翻訳された女性の語りで綴られるストーリー、作者が日本人であることはもうほとんど関係ないということを実感する。
 短命に終わることが、予めわかっている主人公たちは、映画『ブレードランナー』のレプリカントに近いものがある。しかし、きちんとした教育を与えられると、ちゃんと自分の役目を理解する大人に育つということを書きたかったわけではないでしょう。

 彼女らより長い人生が、一般的に与えられているとはいえ、限りある命という意味では、私たちの人生も変わりはない。ただ、彼女らは、自分たちの臓器を私たちに提供するよう運命づけられている。文字通りの「献身」である。
 彼女らの最高の望みが、わずか3年の延命と恋人との自由な生活だけというのが、泣ける。鮮明な記憶は彼女たち「生徒」の特性であるが、生きた証は何度でも繰り返し思い出されることの中にあるのだろう。

 架空の生命体(遺伝子的には人間だけど)の独自の世界観を表現して、静かで滑らかな、読み応えのある文学作品でした。「泣ける」かどうかは、その人によるでしょう。
 Never Let Me Go の原題のわりに、「行って」しまうことがどうしようもないこととして刷り込まれている「生徒」たちの悲しさは、幼いときから敵を倒すことを使命と教え育てられる、かの国の子どもたちを思わせる。


カズオ イシグロ / 早川書房(2006/04/22)
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