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2005年12月23日 (金)

人生の壁・孤独なクライマー~11/6/2005・k302

 現在の医学では進行を遅らせることすらむずかしい病気、アルツハイマーと診断された主人公は、広告代理店の営業部長、50歳。その瞬間、希望から最も遠い存在となった。しかし彼はそれを隠し、仕事を続けながら病気と闘うことを決意する。せめて娘が嫁ぐ日まではと。

 日に日に衰えゆく記憶を、あふれるメモでつなぎとめる彼の苦闘は、ともすれば暗く重たい話になるところ、学生時代に今は亡き友人の影響で始めた陶芸の趣味が救っている。ろくろを回したり、土をこねたりする身体感覚、いわゆるからだが覚えているということが、彼に生きていることを実感させる。

 記憶は、自分と関わりを持つ人と共有するものでもあるが、最終的には他者が覚えていてくれるかどうかということだ。結末はちょっと美しすぎる気もするが、老いや死、病に対する不安や恐れが、少しだけ和らぐように思えてきた。

        『明日の記憶』
           荻原浩著 光文社 1500円

Then and Now:熊本日日新聞「私の3つ星」不採用。お話を要約するにとどまったことが、敗因か。
意図的な誤植(変換ミス)が、アルツハイマーの進行を動かしがたく描写する。そのことだけで、小説として成功している。しかし、それを書いたら凡百の紹介文なので、あえて書かなかった。
渡辺謙主演で映画化されるとのこと。かなり痛い映画になりそうで、私は見たくないが、若年性アルツハイマーに対する理解が社会的に深まることはいいことだろう。
また、夫婦の麗しい愛の物語として読むことも出来るので、そういうところがクロースアップされるのかもしれない。

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コメント

平成18年3月5日付「読書」欄に掲載。って、こういうのも、うれしいけど、困っちゃうなー。なんか、アンフェアみたいな感じで。
映画化は、堤幸彦監督で、渡辺謙の相手役は樋口可南子らしい。最近本屋で見かけたこの本、カバーが映画のスチルになっていた。商魂というか...

TSUTAYAのPR誌「TSUTAYA CLUB MAGAJINE 2006年4月号」に、作者荻原浩さんのインタビューが載っていた。「僕が伝えたかったことは、記憶の死は人間の死か、という問題なんです。そして、違う、といえる人生を送りたいという希望なんです」とのこと。

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