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2005年4月25日 (月)

「考えるヒット」を読んで・下~10?/?/1998・k282

 たとえば最近では小泉純一郎元厚相も熱狂的なファンであると公言したX JAPANについて近田氏はこう語る。「X JAPANが、何を売り物にしたか、の話である。私はひとことで言うと、それは「命懸け」だったのではないか、と考える。」この前後も重要ではあるが、この部分だけからも近田氏の感性の豊かさと、パターン認識を短いフレーズに凝縮させるソングライターとしての才能が読み取れる。

「小室哲哉の曲は週刊誌 続きを早く聞きたい!」という文章も収められているが、私にとっては、この「考えるヒット」こそ、早く次が読みたいという気にさせられる連載である、今も。そしてこれまで発表されたものをまとめた本書は、陳腐な言い方だが、大全集の趣があり、評価がまちまちになるところも、かえって冷凍保存みたいで鮮度を保つ効果があるようだ。

 ナンシー関との対談-紅白歌合戦大改革試案の項はオマケの収録だが、紅白自体がヒット曲と無関係になっているのだから、この本には不似合いだと思う。しかし、「まえがきにかえて」と「あとがきにかえて」は必読に値する。それぞれに文章のトーンを変えて、誰のと指摘できるほどの素養は私には残念ながらないが、明らかにある種のパロディとなっている。と考えずに素直に受け止めるべきかもしれないが。

 それにしてもヒット曲を分析することはできても、曲をヒットさせるのは計算通りに行かない。でも波に乗りさえすれば連続ヒットしてしまう。奥が深いと言うべきか底が浅いと言うべきか、確かに私の興味も尽きない。

              近田春夫著 文藝春秋刊

Then and Now:平成10年度の合志町第3回図書館まつりの公募。作品集に収録された。
当時は、原稿用紙に手書きだったので、一発録りのライヴ感がある。推敲はするものの、何回もの書き直しは、面倒なのでやっていない。その代わり集中しているとも言えるか。鋭い指摘は近田氏のものだが、小泉首相と、X JAPANの共通点について、計らずも係わりを見出していた自分がうれしい。

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